今日は、天気が良い。


きっと洗濯物を干すにはとても気持ちがいいだろう。


風も強くも無く弱くも無く、心地よさそうに吹いてるのが木々の様子を見て分かる。



いいなー。


俺も外行きたいなー。






――Twowishes and hope――








「リュウ・・・ガ・・・?」

大久保から出た名前に秋山は驚いた表情で目の前に居る、城戸―――リュウガを見やった。

「・・・ええ。コイツは・・・会わせなきゃいけない相手です・・・・」

リュウガと呼ばれた青年は大久保の言葉に、渋々といった感じで頷き、小さく溜息をついた。

「なんで、着ちまうんだか・・・・」

リュウガは、少し苦しそうに呟いた。

「お前・・・リュウガ・・・なのか?」

秋山は目の前にいるあの青年と瓜二つの相手を凝視していた。

「ああ、そうだ。秋山蓮・・・・・仮面ライダーナイト・・・」
「!!」

最後の言葉は小さく呟かれ、きっと横にいる大久保の耳には入らなかっただろう。
しかし、秋山はここに居た青年が城戸真司ではないことに混乱していた。

「な、何故貴様がここに居る!?」
「・・・真司のためだ」

その答えを理解できず、秋山はリュウガへとつかみ掛かった。

「貴様、また城戸の体に乗り移ったのか!?」
「やってねーよ」
「じゃぁ、何故貴様が居るんだ!!?」

つかみ掛かったまま、近くの壁へと押し付ける。
女性の短い悲鳴が聞こえたが、そんなものには構っていられない。

「真司の願いだ」
「何・・・・?」
「真司の願いで俺はここに居るんだ」


城戸の願い。


その言葉に、秋山は過去、城戸が最後に言った願いを思い出した。


『ライダーの戦いを止めたい』


では、何故目の前にあの時にしか存在しないはずの相手が居るんだ。
さらに、目の前の相手を強く絞めようとしたとき、大久保が仲裁に入った。

「これ以上、うちの社員に暴力を振るえば、告訴させてもらうぞ。アキヤマレンさん」
「・・・貴様ぁ・・・」

秋山はリュウガを捕まえていた手を離し、怒りに満ちた感情のまま大久保へと振り向いた。
そしてそれを、今度はリュウガが止めた。

「落ち着け、秋山。真司は生きてる」
「・・・何だと?」
「真司はちゃんと存在している」
「なら、どこに居るんだ!?」

未だ怒りに満ちた表情で睨んでくる相手にリュウガは一つ溜息をつき、

「・・・つれてってやる」

そういって、今度は大久保へと振り向いた。

「そう言うわけで、編集長・・・・」
「真司に会ってくるんだな?」
「はい」

リュウガの申し出に、満足そうに頷く大久保。

「お〜い、お前等!今やっている仕事をいったんストップさせろぉ!!真司に会いに行くぞぉ〜!!」
「へ!?」
「!?」


「真司に会いに行くなら、俺達も同行させてもらうぞ?何せ、次の仕事の資料がわんさかあるんだからな」

得意げな表情を浮かべる大久保に、リュウガは脱力したように、その場に崩れた。








『真司君の場所が分かった!?』
「ああ、今からそこに向かう」

一先ず、大久保が運転する車にリュウガを除く社員が乗り込み、リュウガは自分が普段乗っている愛車であるズーマで、 秋山は近くにおいてきた愛車で大久保の後に続くことになった。
そのため、社内から出ることになるのだが、不思議なことに、次に社内から出たときは初めにあったような鈍い頭痛は起きなかった。
そのうえ、感じていた街の歪みも消えてしまい、今は記憶にある街並みとまったく同じものになってしまってい た。

『蓮!!教えて!!真司君の場所!!私達も向かうから!!』
「・・・・おいリュウガ、城戸はどこに居るんだ?」
「ユイちゃんか?」
「ああ」

相手を確認して、再び溜息をつくリュウガを訝しげに見やり、再び教えろと促す。

「狩野赤十字病院だ」
「・・・・病院・・・・?」
「ああ。真司はそこにいる」
「おい、城戸は・・・城戸は生きているのか!?」

“病院”の言葉は今の秋山には一線を越えることと同じであった。
過去の不安が再び頭を持ち上げる。


――真っ白い部屋。

――その部屋に響く機械音。

――そして、その機械につながれていた女性。


「真司は意識もあるし、自分の足で歩いてる。オガワエリのようなことにはなっていない」
「・・・・・本当だな?」
「ああ」

リュウガが頷くと同時に、再び携帯電話からユイの声が聞こえた。
電話を持ち直し、リュウガから言われた場所を教える。
電話口ではユイの息を呑む声が聞こえ、秋山は城戸は生きており、自分の足で歩いていると教えた。

『・・・・本当なんだね・・・・?』
「ああ・・・・リュウガはそう言っているから・・・たぶんそうなんだろう」

秋山の言葉に、少し間をおいてから少女は秋山に尋ねた。

『リュウガ・・・?リュウガって、前の世界でミラーワールドに居た・・・?』
「ああ・・・理由は分からないが、OREジャーナルに行ったらあいつが居たんだ」
『そんな・・・私、望んでない・・・・願ってなかったのに・・・・・』
「ユイ?」

少女の混乱した声に、秋山は名前を呼んだ。

『・・・・とにかく、蓮。私とお兄ちゃんはタクシーで行ってるから・・・こっちからの方が近いから先に着くと思う』
「ああ、分かった」

名前を呼ばれたことで、正気になったのか、少女はしっかりと秋山へつげ、了解の声を聞いた後電話を切った。

「じゃぁ、行くか?」

電話をズボンのポケットにしまうと、それを見ていたリュウガが秋山へ声をかけた。

見れば、既に大久保たちはいつでも出発出来る体制だった。

「ああ」

秋山は不安に押しつぶされそうな心を奮い立たせ、リュウガへと短く返事を返した。













一先ず、今日は天気がいいから昼寝だよな。

んで、先輩と令子さんに言われてた仕事片付けて・・・・

資料に目を通して・・・・

データーのバックアップを取ったら、原稿を今日の5時までに送って・・・・

あー・・・・・昼寝、出来そうも無いじゃん。

















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