それはある日突然に。−2−
「仮装だったよね」
「ああ」
「仮装か・・・・」
「そうだ」
ここはアトリのリビング兼ダイニングである部屋。
そこのテーブルにはアトリのライダー3人組がいた。
先ほどまで食べていた焼き蕎麦は、見事完売御礼となり、後は片づけるだけの皿や箸等が流しにある状態だった。
「でも、なんでいきなり仮装なの?」
「純粋に面白そうだと思ったんだ」
「ただの色物だろうが・・・」
それぞれ食後のお茶での一服をしながら、テーブルについていた。
「でも俺、何もそうゆうネタ持ってないよ?」
「俺もだ」
だから、俺を巻き込むなと、今更のように手塚へ睨みを向けた秋山。
「何を言っているんだ。二人とも」
そんな2人をみやり、手塚はどこか楽しそうな、驚いた顔をしていた。
「え、俺本当にないよ?」
「・・・・・・」
思いつかない2人に、手塚は微笑をしながら、
「俺達には特別なものがあるじゃないか」
そうの言い放った。
「何それ?」
「・・・まさか貴様!?」
「秋山は分かったようだな」
「え、蓮、何?何なの?」
「これだ」
カチャ・・・
そういって手塚がテーブルに置いたものは、ライダーなら誰しも見覚えがありすぎる・・・・
「・・・・・・・
カードデッキ・・・・?」
「やはり・・・何を考えてるんだ!?」
「楽しそうじゃないか秋山」
「え、これで何をしろって?」
城戸は、手塚の意図を図れず、ライアのカードデッキを裏返したりしながら2人へと聞き返した。
「変身だ」
「え?」
「こいつの言うことは真に受けるな城戸」
「俺達には、ライダーに変身すると言う世界でも稀な仮装特技をもっている」
なんせ、“13人(+@)/世界人口”と言うほどの割合なのだ。
稀の中でも特別な稀、三毛猫のオス、突然変異で生まれるアルビノ等と同等だと言っても過言ではない・・・と、思われる。
「・・・・・」
「・・・・仮装特技・・・」
確かに、13人(+@)/世界人口であれば、誰も真似することは出来ないだろう。(ライダーを除いて)
「で、でもそんなことしたら皆がパニックに・・・!!」
「城戸、このライダーの戦い。今戦いの部分はおいておいて、変身だけで考えてみろ」
勿論、鏡の中にも入らずにだ。と、手塚は付け加えた。
「え・・・変身だけ?ミラーワールドにも入らずに?」
「そうだ」
お茶を一服すすりながら、頷く手塚に、城戸は変身するだけと言われ実際にその行動を起こして考えることにした。
「城戸?」
秋山が声をかける中、
ずずー。
手塚が、お茶をすする中、
「ちょっと、変身だけしてみる」
その上で考えてみる。
「お・おい!!」
秋山の制止もなんのその。
「変身!!」
同じ部屋にあった姿見で、いつもの変身ポーズを決めて・・・・
―――――――カシィン・・・・
変身終了。
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