Cat.7








カンザキシロウに変な話を持ちかけられ、俺が猫&人間生活を始めて3日がたった。
因みにおばさんには教えていない。だって話しが通じないと思うし。
いや、逆に通じそうなんだけど、それはそれで怖いから・・・。
俺はおばさんが留守の時とか、夜ユイちゃんが部屋に居る時とか(猫ベッドはユイちゃんの部屋にある)に猫になることになった。
会社に行く時とかは勿論人間である。
3日もあるとこの生活にも結構慣れてきた。そして、この日俺はおばさんが留守と言うことで、猫の姿で日向ぼっこをしていた。

「城戸もすっかりなれたようだな」
「結構良いもんだよ猫って」

店は休み。
なんか何時も休みになってる気がする。大丈夫かアトリ?
店のフロアには俺と手塚君。そしてユイちゃんがいる。
蓮はエリさんのところだそうだ。朝起きた時にはもう部屋には居なかった。

「でも、真司君がその格好で居るとすっごく和むんだよね」
「そうだな」

猫の姿でごろごろ。
と、そんな時・・・

―――キィイイン・・・!!

「「「ッ!!」」」

モンスターの出現を告げるあの音が響いた。
どうやら、このアトリの中らしい。

「城戸!!」
「ああ!!」

手塚君が音のするほうへと走って行く。そして、俺も慌てて追いかける。
音はリビングにある姿見から。そこで、手塚君は何時ものようにデッキを翳し・・・・

「変身っ!!」

そして俺も・・・・

「・・・・・・・・・・・・・・・あ」
「どうした城戸?」

こちらをみた手塚君。

「俺、デッキ部屋だ・・・・」
「・・・そうだったな・・・この姿では持ち歩けないからな」

ライアとなった手塚君に抱き上げられる。

「仕方ない。今日は待っていろ」
「・・・・・お、俺!人間に戻ってデッキ持ってくる」
「分かった」

手塚君の腕から降りようとしたとき、

―――グゥォオオオオオオ!!!

鏡の中から響いた咆哮。
聞き間違えたりはしない。俺の契約モンスターであるドラグレッダーだ。
そして、慌てて鏡を見た俺の目の前には、

「・・・え?デッキ・・・?」

鏡からにゅっと飛び出たドラグの鼻先。体が大きいため、姿見からは鼻先しか出せないようだ。
そして、その口元に咥えられているのは、俺が今取りに行こうとしていた龍騎のデッキだった。

「取ってきてくれたんだ!!ありがとな!!ドラグレッダー!!」

―――ゴォオオオ!!

どこか嬉しげに聞こえる咆哮。
そして、投げられるデッキ。
俺は手塚君の腕からその宙を舞うデッキに飛びつき、

「変身!!」

自然落下に身を任せながら、そう鏡に向かって叫んだ。


――カシィイイン・・・!!


そして俺の体は地面に着地する瞬間に変身を終えた。
その姿は人間のサイズの普通の龍騎だった。特に変な耳がついていたりはしない。

「・・・・便利だな・・・」
「・・・だね」

その一部始終を横で見ていた手塚君。
うん。なんかすっごく便利だ。猫の姿とかじゃなくて・・・・

「「ドラグレッダーが・・・」」





その後、俺が猫の姿で居る時は、ドラグレッダーにデッキと着替えの入った紙袋を持ってもらうことになったのは言うまでもない。







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こういうドラグレッダーが好きだったりします・・・・。