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――Two wishes and hope = reverse = 4 ――








「どうしても、どこを探しても、真司君にたどり着けないの・・・」

その兄弟の言葉に、秋山は城戸への不安を心に積もらせた。

「でも、蓮だったら・・・蓮だったらたどり着けるかもしれない・・・・」

「根拠は無いが、お前なら・・・と、お前が記憶を取り戻してここを訪ねてくれるのを俺達は待っていたんだ・・・」

少女とその兄の言葉に、秋山はある思いが浮かんでいた。



城戸、お前への気持ちを糧に必ず見つけてみせる。

そして、再開を果たしたらそのままチャペルへGOだ!!!


「れ・・蓮?」

「秋山?」


いきなりガッツポーズをとった秋山氏。

そして、それを不審に見やる兄妹。





とりあえず、話を終え一先ず今日は帰り明日探すことにした秋山。

アトリを出ると・・・・

「「「「きゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!」」」」

耳をつむがんばかりの黄色い声。

そしてカメラとマイクの群れ。

「先ほど走っていた方ですよね?あれは何か映画の撮影なんですか!?」

「ぺ・○ン○ュンが一緒だと聞いたのですが!?」

「ス○ップのメンバーに入るとか!?」


な・何なんだ!?


秋山さんパニック。





秋山氏を送り出したアトリ店内。


あ、蓮にメールの事言っておくの忘れたけど・・・・


と、同時に聞こえてくる黄色い悲鳴。


ま、いいか。







店のフロアへと戻ったユイに、叔母が訪ねてきた。

「ゆい〜・・・・あの人返して大丈夫なの?」

「大丈夫よ叔母さん。心配かけてごめんね?」

「一人で立って歩いてたからもう大丈夫ですよ」

「そう?シロウもそういうならいいけど・・・・いきなり倒れるんだもん。びっくりするわよ」

「ほんとにゴメン」

「ゆいが謝ることは無いわ。あ、そだ。知り合いみたいだったけど・・・・ゆい、あんたも隅に置けないじゃなぃ?あんなハンサムな男の子と知り合いなん て」

「お・叔母さん!蓮はそんなんじゃないって!!」

「連ちゃんって言うんだ」

「叔母さん!!!」


ダン!!!!




「!!?」

男の子の友達ということで、女性二人でキャーキャー言っていたそのテーブルに、突き刺さる一本の包丁。

「ぎゅ・・・牛刀?」

  
牛刀とは。

主に肉類などに用いるが、野菜やパンなど様々な用途に用い、一般に刃渡りが長く大きい。

肉食文化の西洋でよく使われている。

刃渡りは約30cmほどである。
 


勿論、突き刺した人物は・・・・・

「お兄ちゃん・・・・・?」

「シロウ・・・・・?」

「これから、牛ロースサンドを作ろうと思ったんだが・・・・・・気が変わった」

「・・・・・・」

「人肉にしてくる・・・・」

「わーーーーーーーーー!!!!!!!!!お兄ちゃんストップストップ!!!!」

「シロウ!!早まっちゃいけないよ!!!」


「離せーーーーーーーーーー!!!!!!!秋山ーーーーーーーーー其処に名折れーーーーーーーーーーーーー!!!!!!



秋山氏。

パニックの上に命危うし。







そして次の日。

何とかパニックの中を抜け出してアトリの裏に回ったところへ、何故だかカンザキ兄に牛刀で襲われかけ、命からがら兄を殴り飛ばした秋山。

その後、ユイとおばさんが出てきてカンザキシロウは意識不明のまま部屋の中へと運ばれた。

きっと、倒れた時に頭を強打していたから起きた時には今の記憶はなくなっているだろう、とユイは兄を運び終え、秋山に謝った後そういっていた。


そんなこんなで疲れてはいたが、城戸を見つけて結婚式を挙げ、新婚旅行で世界一周すべく秋山は愛車であるシャドウスラッシャーを転がして、問題のORE ジャーナル付近まで来ていた。



そして、問題の100mへと踏み込んだ瞬間。


「ッ!?」


歪んだ・・・・ように見えた。


疲れが溜まってしまっていたのだろうか・・・・?

い・いや、城戸を見つけて結婚式を挙げ、新婚旅行で世界一周、1年後には男の子の出産祝いをすべくこんなところでは止まれない。


「・・・どこ・・・だ?」


改めてあたりを見回すと、今まで見ていた景色とは変わってしまっていた。

疲れの上にもうボケが始まってしまったのか?

自分が記憶していた街並みとは違う景色に不審がる秋山。

しかし、城戸を見つけて結婚式を挙げ、新婚旅行で世界一周、1年後には男の子の出産、その後は城戸に似た女の子の双子の出産祝いをすべく、そんなことを 言っている余裕は無い。

よし。明日から脳トレだ。

心新たに秋山氏は、事故を起こさぬよう慎重に発進した。



見知らぬ景色に、警戒しながら走っていると・・・


――― キィイイイイィィン―――


あの頃、よく聴いた音が響き、

秋山はいきなり、響くような鈍い頭痛に苛まれた。

「・・・・ッ!!」

慌てて、愛車から降り、その場に膝を着く。


――― キィイイイイィィン―――


幻聴と頭痛!?

もう脳トレだけでは追いつかない!!

城戸を見つけて結婚式を挙げ、新婚旅行で世界一周、1年後には男の子の出産、その後は城戸に似た女の子の双子の出産後、夫婦濃密な愛のある生活をエンジョ イするため、城戸を見つけた後病院で全身くまなくチェックだ。


心新たにした秋山氏。

、ふらつく足をなんとか誤魔化しながら20m程歩き、ふと大きな右折の道を見た。

そして、そこに・・・

「見つけた・・・」

とある雑居ビル。

そこの1Fに張り出してある案内に『OREジャーナル』と、捜し求めていた字が記されていたのだった。



城戸・・・!!

結婚式を挙げ、新婚旅行で世界一周、1年後には男の子の出産、その後は城戸に似た女の子の双子の出産後、夫婦濃密な愛のある生活をエンジョイしながら、家 族5人、幸せ且つ愛の溢れる生活をするため・・・・・


城戸・・・!!


結婚式を挙げ、新婚旅行で世界一周、1年後には男の子の出産、その後は城戸に似た女の子の双子の出産後、夫婦濃密な愛のある生活をエンジョイしながら、家 族5人、幸せ且つ愛の溢れる生活をし、子供が自立した後はどこか田舎で野菜でも作りながら二人幸せな老後を送るため・・・・今から郵便貯金と株に債権だ、



心新たにした秋山氏。















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マスコミに追われ、兄に殺されかけ、今度は病院でフル検査。
秋山さん色々危険な日々を送られているようです。