鏡の道を通って出た場所。
そこは芝で埋められた、一面グラウンドで広がっていた。
「わ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!すっげーーーーー!!!国際競技場なみの広さじゃん!!!」
「ほお」
「・・・・」
「すっごーい!」
大きなグラウンドには、きっと今日の競技で使うのだろう、色々な備品が横に配置されていた。
4人はライドシューダーを降り、荷物を降ろすと、観客席の空いてる箇所へと置いた。
「あ、お兄ちゃん」
其処にユイの声が響き、3人は振り向く。
「ユイ、来たか」
「カンザキ・・・」
「そう睨むな秋山」
「どういうつもりだ・・・?」
「特に他意はない。知らせの通り親睦を深めてもらおうと思っただけだ」
「何をふざけ――――」
秋山の声をさえぎるかのように、アナウンスが流れた。
『後10分で開催式を開きます。出場、応援する皆様、舞台のほうへとお集まりくださ
い』
「・・・・・カンザキ」
「何だ秋山。早くしなければ置いてかれるぞ」
既に城戸、手塚、ユイは放送されたように開催式を開く舞台の方へと歩き出していた。
「あの、鶯嬢は・・・・・?」
「なんだ?お前は小川エリと城戸真司のほかに手を出そうと言うのか?」
「
違うわ!!何でマイクの位置にダークウィングがいるんだ!?何
故鶯嬢をやっている!!??」
テントの中。マイクを前に座っていたのは秋山の契約モンスターであるダークウィングが、読み上げる書類などを整理していた。
「ダークウィングが鶯嬢を買って出たからだ」
「・・・・・・」
「他には?」
「おーい!蓮!!早くしないと始まっちゃうぞ!!」
「れーん!!早くー!!」
何も言えず、呼ばれたまま歩き出した秋山。
「まさか・・・・超音波以外の声はあんなに・・・・あんなに・・・・・・・
可愛らし
かったとは・・・・・・・」
秋山さん精神的にショック。
その前に、しゃべれるのですね。
「蓮ほら早く!!」
未だショックの抜けきらない秋山を、既に列を成して並んでいた城戸は自分の後ろへと引っ張り、並べさせた。
「どうした秋山?」
「・・・・何でもない」
「イライラする・・・・さっさと始めろ」
「浅倉、お前もう少し落ち着きをもったらどう?」
「あぁ?」
「短気は短命って知ってるか?」
「うっせーぞ・・・北岡」
「あぁもー!!先輩達ストップストップ!!!」
「そうですよ!御双方!!今は静かに並んでいてください!!」
そんな言い争う2人(+2人(山羊と蟹))の後ろに、
「うるさい・・・・かも」
と、東條。
「ったく。いい大人が2人で。なにやってるんだか。せっかくのゲームが落ちちゃうじゃん」
そして、芝浦。
「あ、し〜んじ♪」
「うわぁっと!!」
城戸の姿を見つけ、抱きつきタックルをかます女性が一人。
「・・・・(ムカ)」
「真司!会いたかった!!」
「き・霧島・・・」
「違う」
「え?」
「名前で呼んでよ」
「・・・ミホ」
下から見上げてくる視線に、城戸は少々たじたじになりながら名前を呼んだ。
「よろしい♪」
そして、
「離れろ」
「真司は俺のだ」
そんないちゃついてる風な城戸と霧島へとメデューサの睨みのごとく、怒りの形相を向ける2人。
「何さ、二股野郎にドッペルゲンガー」
「れ・蓮に龍牙・・・」
何時の間にか、秋山の横に居る龍牙。
「霧島・・・・・」
「ファム・・・・」
「まぁまぁ、二人とも落ち着け」
「手塚君!」
怒りを露にする2人を落ち着かせようとする手塚は、
「そして霧島、さっさと離れろ」
と、霧島に向かっていきなりのファイナルベント・ハドベノンを繰り出した。
「きゃあ!!」
幸いにも、直撃を免れ軽く地面に肩をぶつける程度で終わったが・・・・
「て・・・手塚君?」
「何だ城戸?」
城戸へと優しく微笑む手塚。
「・・・・・な、何でもありません」
「そうか。なら、さっさと
一緒に並ぼう」
と、先頭に行ってしまった手塚、城戸、そしてユイ。
「お前等の負けだな」
「・・・黙れ高見沢」
「カメレオンの分際が」
「四十路は黙ってらっしゃい」
「俺はまだ38だ!!!」
そうこうしているうちに、開催式が始まった。
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らいだー’S大運動会