開催当日。 <1>






本日3日。

スポーツ大会が開催される当日。

洗濯するにはもってこいの晴天。


その日、アトリは朝から少々慌しかった。



「蓮!!これその袋につめといて!!」

「城戸、これはどうするんだ?」

「ああ、それはあっちの袋にお願い」

「真司君!!これももってくの!?」

「それは叔母さんのお昼!!」


そんなこんなで、普通サイズのキッチンは色々な料理、容器、お皿でごった返していた。


「こんなに、要らないだろうが・・・」

呆れ返す秋山をよそに、本日のお昼の用意はちゃくちゃくと進んでいった。

「何言ってんだよ?運動会っていうのはお昼が大事なの。運動会は豪勢なお弁当があって始めて運動会なんだぞ!」

果たして、メインである競技はどうなんだ。

と、突っ込まないのは、テーブルにあるお弁当の中身を見てしまったが故だろう。

このお昼を逃してなるものか。

出場、もしくは応援に参加するユイや手塚、秋山までもがそう思っていた。



「さて、ユイちゃん。今何時?」

お弁当を全て包み終え、出かける準備が出来上がった城戸はユイに聞いた。

「今、9時10分ちょうどだよ」

手塚がお知らせを開き、

「集合時間が9時からだから、ちょうどいいな」

「じゃ、行きますか!」

やる気を声に出した城戸。

「やはり、変身して行くことになるか・・・・」

すこし、声を低めに手塚は言った。

「当たり前だろう?」

変身しなければ鏡の道を通れない。

訝しげに、手塚をみやる秋山。

その隣で城戸も不思議そうに首をかしげた。

「秋山、城戸、一つ忘れてないか?」

「なんだ?」

「何を?」

「俺達はいいとしても、ユイちゃんはどうするんだ?」

「あぁそうだよ!!ユイちゃん行けないじゃん!!」

ライダーである城戸、手塚、秋山。

鏡の世界を覗くことが出来るユイ。

「あぁ。あたしは大丈夫」

「へ?」

「?」

「どうしてだ?」

「だって、ほら」

本日の通り満ちに使用する予定の大きな姿見。

その姿身に触れたユイの手は、その向こう側へと入っていった。

「ね?」

「・・・・」

「・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・一つ質問していい?」

押し黙る3人の中、勇気を持って手を上げた城戸。

「何?」

「なんで、そうなるの?」


「ひみつ♪」


「さいですか・・・・・」

見事な微笑と共に述べられた言葉に、城戸の他2人はもう何も言うまいと決めた。

「あとは、誰かのライドシューダーに一緒に乗せて」

「じゃあ、俺のに」

お弁当を持つ城戸、秋山。

デザート、おやつ担当の手塚のライドシューダーには余裕がでるため、そこにユイが乗ることに。


「じゃあ、分担も決まりましたし・・・・」

おばさんはお昼過ぎに帰ると、早朝出て行った。

きちんと、戸締りと火の確認も済ました。

秋山がうるさく、節電について昨夜語ったので(城戸の電気着けっぱなしに怒って)無駄なコンセントは引っこ抜いた。

その後、それじゃぁ足りないと言う秋山は、必要な電化製品のコンセントを一箇所に集め、その他のブレーカーを落とすという最強の節約術に出た。

「じゃぁ、心置きなく・・・・」

3人は頷きあい、


「「「変身!!」」」


こうして、アトリ4人は鏡へと入っていった。







因みに、ユイも城戸の変身ポーズを真似てみたりしていた。

無論、まねだけ。




ライダー’S大運動会


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やっぱ、運動会はお弁当とおやつでしょ!!
実は狼、4年5年6年と、お昼の行事や雨天のため、お弁当食べられなかった過去があります・・・・(遠い目)