それは、ある日の早朝、突然に届いた。
その日、城戸真司は珍しく同室の秋山蓮、手塚海之よりも早く起きた。
そして、2人を起こさないように1階へ行き、誰も起きて来ていないリビングダイニングから玄関を通じて、このアトリに来て初めて、郵便ポストから朝刊を
取ったのだった。
「何気に、俺初めてだよな。朝刊とったのって」
そんな、初めての事に少なからずわくわくしながら、郵便ポスト内にまだ入っている茶封筒を3通見つけた。
「ん?昨日取り忘れたのかな?」
昨日、自分が家に入る前に郵便物を取り出したと思っていたのだが。
「えーと・・・秋山蓮様、手塚海之様、城戸真司様・・・・・?」
自分は住所変更を出しているが、果たして住所変更を出しているのか分からない秋山や、手塚の分まで届くのだろうか?
不思議に思いながらも、自分の手紙を裏っ返してみると・・・
「カ・・・カンザキ シロウだぁあ〜!?」
『 ミラーワールド在住 カンザキ シロウ 』
「れ・れれれれれれ、蓮!!!手塚君!!!!」
慌てふためき、階段を躓きながら駆け上ると、ちょうど起きたらしい秋山と手塚がベッドを直していた。
「なんだ、朝っぱらから騒々しいぞ」
「どうしたんだ城戸?」
ベッドを直す手を止め、こちらを向いた二人に、二人宛の手紙を慌てて差し出した。
「こ・これ!!!」
「何だ?」
「城戸からのラブレターにしては随分と殺風景だな、秋山」
「手塚・・・・」
「ちょっ、そんないざこざ起こしてる暇あったら差出人見てよ!!!!」
「何なんだいった・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
城戸の様子を不審に思いながらも、二人は手紙の差出人を見て見事固まった。
「なっ?なッ!?」
「カ・・・」
「カンザキシロウ・・・・」
たっぷりと3分はそのまま動かなかった3人だが、
「これって・・・開けた方が・・・いいのかな?」
「・・・・・・」
城戸の言葉にひどく迷う秋山。
「別段、特に新しいカードが入っているわけでもなさそうだな」
窓から入ってくる光にすかして、中を確認した手塚。
「っていうかさ、カンザキシロウって年賀状貰ってるんだね」
「何?」
「どういうことだ、城戸?」
「だって、この切手、年賀状のお年玉記念切手だよ。しかも一昨年の」
「「・・・・・・」」
封筒に張られていた切手は城戸の言うとおり、一昨年の干支の物だった。
「しかし、あたった番号がお年玉切手というのも、なんだか付いていているのか居ないのか・・・・」
そう呟く手塚に、
「いったい誰から貰うんだろう?」
不思議そうに城戸が聞いた。
「モンスターじゃないか?」
「だって、郵便局は?」
「ミラーワールドも、ワールドというくらいだ。きっとモンスターがやっているんだろう」
「すごいね!じゃぁきちんと国家資格とか、公務員試験とかあるのかな?」
「郵便局が動いてるんだ。それくらいはあるんだろう」
「じゃあ俺、今度出してくるよ!!」
「では、俺も・・・」
「お前ら黙れ」
次
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さて、始まりました。
ライダーで運動会。
実は狼、これをやりたいがためにこのサイトを立ち上げたのです。(事実/笑)