ライドシューダーの秘密。
「そういえばさー・・・」
それは夜の帳も下りた頃。
そろそろ寝ようかと、アトリのライダー3人はそれぞれ寝床の準備をしていた。
因みに、秋山と手塚がベッド。城戸は相変わらず寝袋である。
「どうしたんだ?」
「・・・何だいったい?」
手塚は朝、ベッドメイキングしたベッドに座り城戸の頭を撫でた。
「もう、手塚君、子供じゃないんだから」
「・・・・・手塚」
「・・・秋山は心が狭いな」
「手塚ぁあ!!!」
「わーーー!!!蓮!!!ストップ!!!!!」
「で、結局何なんだ?」
秋山の怒りは、結局手塚には届かず。
城戸が秋山に飛びつき、秋山に強く抱きついたため、怒りの火はくすぶる程までに鎮火した。
「うん。ライドシューダーなんだけどさ」
「ライドシューダー?」
「それは、ミラーワールドのか?」
「うん」
ライドシューダー。
それは、ライダー達を安全且つ迅速に戦いの場へと運んでくれる乗り物である。
「あれってさ、いつも俺ら乗り捨ててるよね」
「・・・」
「そうだな」
ライダーは、一度ライドシューダーから降りると、その後その回の戦いでは一切乗らない。
次に乗る時は、再びミラーワールドに入る時だ。
「この間、モンスターが現れて、変身したんだ」
「ああ」
「・・・・」
「でさ、何とかファイナルベントで倒したんだけど、気がついたら入った入口から結構離れた場所に来ちゃってて」
大体2駅ほど。
「しかも、微粒子化し始めちゃって」
「それは危なかったな」
「・・・・」
「で、途中までライドシューダーで来てたからそれに乗って入口まで戻ろうって思ったんだ」
龍騎は100m5秒で走れるが、ライドシューダーは950m/hである。
「そうだな」
「でもさ、降りたはずの場所に走っていったら、ライドシューダー無くなってたんだよ」
「何?」
「なくなっていた?」
「うん」
龍騎が戻った時にはなくなっていたライドシューダー。
「もう、すんごく慌ててさ、ドラグレッダーを呼んで、背中乗っけてもらって、慌てて入口に戻ったんだよね」
「本当に良かったな、間に合って」
「うん。もうあんときは本当にだめかと思ったよ」
「城戸・・・・」
「え・・・ぅわ!ちょ!!手塚君!!」
「何をしている!?」
「危なかった城戸との感動の抱擁を・・・」
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書き物部屋
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