PM 8:00
「ふにゃぁ〜」
「おっ!お腹減ったか?」
祥が泣いた。
どうやら食事の時間らしく城戸はおばさんに祥を預けると、台所に粉ミルクと予め消毒しておいた哺乳瓶を持ってすっ飛んでいった。
サナコさんはあやしながら城戸の様子を見ている。
「城戸、何か手伝おうか?」
そこに手塚登場。
「大丈夫だよ、この粉ミルクをお湯で溶いて、人肌まで冷ますだけだし」
台所へと歩み寄った手塚は城戸の手元を見ていた。
「因みにどうやるんだ?」
「え、どうって・・・・先ずは、この粉ミルクを分量通りきっちりスプーンで計ったら、哺乳瓶に入れる」
「ふむふむ」
「そんで、其処にお湯をこのメモリまで注ぎいれる」
「ほぉほぉ」
「そんで後は振ってよ〜く混ぜ合わせる。玉が出来ちゃったら必ず取る。飲み口が詰まっちゃうからね」
「なるほど」
「で、後は飲みやすい温度まで下げてあげる。熱すぎると焼けどしちまうからさ」
「分かった」
出来上がったミルクを持って、城戸はサナコさんに預かっていてもらった祥を抱き上げると、近くの椅子に座って授乳。
一生懸命飲む姿を微笑ましく手塚が見ていると、
「あ、やってみる手塚君?」
「俺か?」
いきなりの城戸からの申し出。
これも経験と、手塚は直ぐに頷いた。
「結構怖いものだな・・・」
椅子に座り、城戸から渡された赤ん坊にミルクを飲ませる。
その軟らかく危なげな体を支えてやるのは思いのほか腕の筋肉を使う。
「大丈夫だよ、そうやってしっかりと座ってれば」
力強くミルクを飲む赤ん坊の姿に城戸は笑いながら手塚の肩に手を置いた。
「お、空だな」
そんなこんな話していたらいつの間にか瓶の中は空っぽに。
瓶を城戸に渡すと、手塚はげっぷをさせるため、背中を軽くたたいてやる。
「出た?」
受け取った哺乳瓶をすぐさま流しに運んだ城戸は、手塚に問いかける。
けふ。
「大丈夫だ」
「そっか」
戻ってきた城戸に祥を返すと、赤ん坊は機嫌よく手足をバタつかせる。
「良かったなぁ祥。手塚君に飲ませてもらって。お腹一杯だな〜」
今度はオムツを替えることに。
「一杯飲んで一杯出して。うっし、健康状態OK。手塚君、ちょっとオムツ替えといて」
手塚が手際よくオムツを替えると、城戸は汚れた方を専用のゴミ箱(急遽サナコさんによって用意された)に捨てる。
因みに、まだサナコさんは二人の横で観察をしている。
「あんた達、まるで夫婦みたいだねぇ」
手塚一勝・・・・?
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せっかく赤ちゃんが出てきたのだから、やはりほのぼのを・・・・
と、思ったんですがなんだかほのぼのとはかけ離れた感じに、
なってしまった気がします・・・・・;