その日、秋山は日用品の買い足しに行くため、マンションを出て、ショッピングセンターへと向かっていた。
そんな中、ふと懐かしいような景色を見た。
―――知っている・・・・?
それは小さな小さな疑問。
水に波紋が広がっていくように、自分の中で広がっていく。
―――俺はこの道を知っている・・・?
気がついたら走っていた。
体が前へ前へと進んでいた。
と、秋山が街中を走りだしたら・・・・
「きゃっ!!」
「のわぁっ!!」
一心不乱に走る秋山にぶつかる一般市民。
「わっ!!」
「ぎゃっ!!」
尚も増えていく人々。
そんな中。
「ね、ねえ、今の人かっこよくない?」
「え、どこどこ!?」
「あ、あの人!!」
と、女子高生が・・・
「ねぇ、市川さん。あそこの走ってる人かっこいいわね〜」
「本当。何かのロケなのかしら?」
「行ってみましょうか?」
「行ってみましょう!」
と、おば様方が・・・・
ロケ?
撮影?
有名人?
俳優?
アイドル?
キム○ク?
微笑みの貴公子ことヨ○様?
タ○キー?
そんな言葉が交わされ始め、ざわつき始めた街中。
―――――――秋山さん。走行中。
「え!?ヨ○様が!?」
「つ○さ君が!?」
小さな水滴は、波紋として広がって、どんどんと跳ね返り、複雑な文様を映し出していき・・・・・
そして・・・・・
「「「「「「きゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!」」」」」」
人々は走りだした。居るかもしれない、その人を追いかけて。
ピロピロピロォ〜♪
「・・・・・・・・・・ん?」
「どうしたんだユイ?」
「あ、お兄ちゃん。今買い物に行ってた友達からメールが来たんだけどね・・・」
「どうかしたのか?」
「うん・・・・『○ン様、ジャニー○、有名俳優の大名行列!!』・・・・だって。なんだろう?」
「大名行列・・・・?」
その日、夕方のニュースのトップは、
『ヨ○様!?キ○タク!?謎の駅前大騒動!!―― 有名人大名行列!? ――』
だったかもしれない。
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一先ずギャグをやりたかった・・・・