ライダー’S大運動会 1日前。
5月2日。
問題のスポーツ大会が行われる前日。
アトリ3人組と、弁護士はその準備に余念が無かった。
「あぁ!北岡さん何入れてんだよ!?」
「何って、おかかのお握り食べたいから、かつお節いれたんでしょうが?」
場所は、有名デパート地下街。
いわゆるデパチカだ。
どうして、4人でここに居るのかと言うと・・・
「え?足りない?」
「ええ、おかずを作るのにこれでは材料が足りません・・・」
弁護士事務所。
ちょうど、明日のお昼ご飯の打ち合わせと下準備を予ねてゴローに会いに来ていた城戸真司。
キッチンで、お昼のメニューを打ち合わせして、冷蔵庫チェックをした時に問題は生じた。
「じゃぁ、買い物に行かなきゃ・・・」
キッチンでそんな話しをしていた頃。
「・・・・・城戸君はいいとして、なんであんたらまで居るのよ?」
「城戸が居て、秋山が居て俺が居る」
「そんなことを聞いてるんじゃない!!ここに居座っている理由を聞いてるんだ!!しかも、何気に語呂がいいし!!」
「そんなことは簡単だ。なあ、秋山」
「ふん」
応接用のソファーに黒ずくめの男と、紅いジャケットの男。
それに対峙するように自分のソファーに座っているここの主。
「秋山は城戸の傍を離れたくない。そして、俺はそんな2人を生暖かく見守りたい」
「・・・・・・・手塚」
「相変わらず青臭いやつだな〜、なんちゃら山」
「秋山だ!!!」
と、そんな戯れをしていた時、
「おーい、買い物行くんだけど誰か一緒について来てよ。ちょっと量が多いから車欲しいんだ」
と、城戸が来た。
さて、ここにいます御三方。一応それぞれが一般車両普通免許を取得している。
「「「じゃあ、俺が・・・・」」」
見事重なる3つの声。
「おい、北岡。お前はここに居ろ」
「なによ?俺は城戸君の手伝いをしようとしてんの。お前に指図されるいわれは無い」
「城戸、俺が出そう」
「「勝手に決めるな!!」」
一緒に買い物に行き、自分で明日のために欲しいものを買いたい北岡。
ただ単に城戸と一緒に行きたい秋山。
そんな二人に更に火をつけたい手塚。
「別に、1人でいいんだけど?」
3人も来なくても大丈夫だと言う城戸。
「「「・・・・・・・・・・」」」
で、結局。
「あ、手塚君。あの上にある品とって」
「これだな?」
「ありがとう」
「おい、城戸。これはどうなんだ?」
「あ、それも」
「城戸君、これいれといて」
「あ、何勝手に入れてんだよ!」
4人は仲良く買い物に。
「よし。これで買う物はないな?」
カートの中とメモを確認しながら言う城戸に、
「あとこれも」
と、かつお節のパック(小パック10袋入り、1000円)を放り込んだ北岡。
「あぁ!北岡さん何入れてんだよ!?」
「何って、おかかのお握り食べたいから、かつお節いれたんでしょうが?」
「おかかは足が速いから明日作らないっていったじゃんか!!」
「俺はこれが食べたいの!」
「由良さんが家で昆布の佃煮作ってるんだから!!」
「それとこれとは別」
「別じゃないって!!!」
「まぁまぁ城戸。買っていっても大丈夫だ」
そんな城戸の肩を軽くたたいて、落ち着かせる手塚。
「何で?」
「俺の占いは当たる」
「ほ〜ら」
「・・・ぅ〜・・・れーん」
秋山に助けを求めたが・・・・
「蓮?」
「・・・・・・・・」
少し離れた場所。
其処はいわゆる玩具菓子と呼ばれるおまけ付(おまけがメイン)のお菓子が置いてある棚。
なにやら真剣な眼差しで商品を手に取り、少しだけゆすっては戻し、また別の同じ種類の商品を手にしてまた同じ行動を繰り返す秋山が居た。
その商品は・・・・
『ケーキショップ&カフェ』
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・蓮・・・・」
こうして、少々余分なもの(かつお節や、玩具菓子など)も入ってしまったが、何とか買い物は終了し、帰路についた4人だった。
ライダー’S大運動会
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秋山さんに意外なものを持たせたかったんですが・・・・