おしつけ切り番 1



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Two wishes and hopeより。

いつも考えていた。
「連!どうしたんだよ」
この病室の中で、城戸は言った。

『俺、後悔はしてないんだ』

「おい聞いてるのかよ!?」
「うるさい。聞こえてる」
「そっちが返事しないんじゃんか」


城戸、お前はズルイ。

こちらの思い、憤り、何もかも背負ってこの部屋に入っている。

「連、お前熱でもあるのか」
「お前じゃないんだ。夏風邪なんか引くか」
「なっ・・お、俺がバカだとでもいうのかよ!?」
「違ったか?」
「っきぃ〜〜〜!!!かっわいくねぇえ!!」
「女じゃないんだ。可愛くなくて結構」


  城戸、お前はズルイ。


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小話を始めてみました。
宜しかったらご感想ください。
おまちしてまーす。


Two wishes and hopeより



以前、手塚君に言われた。

『城戸はズルイな』



「え?」
「ズルイ、と言ったんだ」

病室の中、いつものように城戸を訪ねてきた手塚は、城戸の淹れてくれたお茶を飲みつつつぶやいた。

「お前は、俺にもリュウガにも何も言わせない」
「いってるじゃんか、山ほどのもんく」
「それすらも抱えてこの部屋にいるんだろ?」
「・・・・」
「だから、ズルイんだ」



手塚君はそういうと、静かに笑った。




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押しつけ切り番。 No,3


Cat Cat Cat!!より。



「城戸ー!!」
「蓮?」

アトリの裏庭。
城戸を呼ぶ秋山氏、そこに現れた少女。

「どしたの?」
「ああ、ユイか。城戸を見なかったか?」
「え、真司君ならさっきキッチンにいたよ」
「キッチン?」
「どうかしたの?」
「いや、俺は2階の窓から裏庭に茶色の毛玉を見たから・・・」
「私も子猫の姿だったよ・・?」
「それはいつだ?」
「ほんの10分前ぐらい」
「・・・・俺も同じぐらいだ」

  ・・・・・・・・・。

「城戸ーーー!!!」
「真司くーん!!!」

裏庭の植木ががさがさとゆれ・・・

「真司君!?」

 とてとて

出てきた一匹の茶色の毛むくじゃら。
城戸の子猫姿だ。

「お前、カラスがいたら危ないだろうが!!!」

子猫を抱き上げ慌てて室内に入れようとした矢先、

「二人とも、呼んだ?」

ひょっこりと子猫姿で出てきたもう一匹の毛むくじゃら。


・・・・城戸が2匹?

   <つづく>

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Two wishes and hopeより
押し付けキリバン。 No,4



真司はずるい。

「リュウガ?」
「ずるい」
「え?」
「だから、ずるいッつったんだよ」
「何がだよ?」
「お前がだ」
「俺がぁ?俺のどこがずるいってんだよ?」
「全部」
「全部って・・・意味がわかんね」

真司はずるい。
白い病室の中。

「俺たち、双子なのに・・・・」
「リュウガ・・・?」
「なのに、何でお前ばっかり・・・」
「・・・・・ごめんな」

いつも真司は、困ったように笑って、一言誤るだけ。
昔はいろいろと言い返してきてたのだが、
俺が頻繁にずるいと言うようになってから、そうやって返すだけになった。
それがまた・・・

「・・・ずるい」



俺の気持ち、知ってるくせに・・・・

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『秋山、ひとつ聞いていいか?』


それはアトリの台所の流しでのこと。
前面にあるステンレスにいきなり、カンザキシロウが現れたのだった。

「・・・・いきなりなんだ?」
『どうして城戸のカップと自分のカップは一緒のスポンジで洗って、手塚のだけを違うスポンジで洗うんだ?』

アトリには職業柄沢山スポンジを用意してある。
台所のスポンジの数は2つ。

「ふ、愚問な」
『・・・・・ならば、漢字ひらがなを使って全五十字以内て語ってもらおうじゃないかッ』

「愛くるしくいとおしい大事な城戸のカップを洗ったスポンジで手塚の食器など洗えるわけがないだろうが!!!」



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開き直った兄にさらっと応対できる秋山を目指したかった;































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