ゾルダの秘密。
『ライダー・・・ゾル・・ダ・って言うの。・・あの・・・弁護士の・・・・』
ユイちゃんからの電話。
電波が悪いらしく途切れ途切れに聞こえてくる。
俺はちょうど取材のため、人が消えてしまうという1階から最上階までのノンストップエレベーターに乗っていた。
乗り合わせたのは、あの悪徳弁護士の秘書らしい、ごろーさん。
それは置いといて。
「ねぇ、ユイちゃん」
俺はユイちゃんの電話に一つ疑問が浮かんだ。
『何?』
あ、電波が復活。
「何でゾルダって名前知ってるの?」
『蓮が言ってたよ』
また蓮。
俺の時といい、今回といい、蓮のやつなんでライダーの名前を知ってるんだ?
「ねえ、何で蓮はライダーの名前知ってるんだろ?」
『そういえば・・・』
「俺の時だって蓮が教えてくれたようなもんだし・・・」
『っていうか、真司君のは蓮が命名したじゃん』
「あ・・・ははっははは///」
ユイちゃんにそう切り返され、恥かしさ交じりに笑ってごまかす。
実は、そうらしいのだが、俺は本当のところは知らない。
「い・今はゾルダね、ゾルダ」
『う〜ん・・・』
何とかゾルダの方へと気を向けさせる俺。
『あ、やっぱり今回もお知らせとか?』
「えー、俺貰ってないよ?」
『そうかぁ・・・・じゃぁ、
占ってもらったとか・・・?』
「誰に?」
『赤いジャケットのひょろ長の黒髪の目が細くて、蓮に「お前は俺が変えて
みせる!!」ってすんごい愛の告白して、決め言葉が「俺の占いは当たる」で職業は占い師の24歳の男の人!!』(勢
いよく音読しましょう!)
「・・・・なんかすんごく具体的だけど、俺そんな人
“ま
だ”知らないから・・・」
『そうだったね。・・・・じゃぁ、やっぱ今回も蓮が命名したんじゃない?』
「え、蓮のやつが?」
『うん。だってさ、「私は仮面ライダーゾルダです」「ああ、ご丁寧に。俺は仮面ライダーナイトです」って、二人して名刺交換でもしてる様子はおかしいと思
うじゃない?』
「・・・・・・・・・」
ユイちゃんに言われ、その様子を思い浮かべてみた。
具体的に。
『はじめまして。この度仮面ライダーをやることになったゾルダといいます』
そう言って、カードデッキからゾルダと書かれた名刺を取り出し、ナイトに差し出す緑色のライダー。
『ご丁寧にどうも。俺も仮面ライダーでナイトといいます』
そして、名詞を受け取り、ゾルダと同じようにカードデッキから名詞を取り出し恭しく差し出すナイト。
確かにおかしい。っというか、まず蓮の場合そんな挨拶は無しに回し蹴りでも、ウィングランサーの一発でも見舞ってるはずだ。
「確かにおかしいね」
『でしょ?』
ユイちゃんの肯定に深く頷く。
では誰が・・・・・?
『ブツッ!』
そんな時、いきなり圏外になった携帯電話は非常にもツーツーと、耳元で鳴った。
「こんな時に・・・」
ゾルダの秘密・・・
ぴゅーひゅーぴー♪
そんな悩んでいる俺の耳に、少し抜けた音の口笛が聞こえてきた。
「・・・・・・・・・・・・・・」
それは、エレベーターに同乗しているごろーさんのもので・・・・。
そういえば、ユイちゃんは最初何て言った?
――――あの、弁護士の――
弁護士の・・・・・
弁護士の・・・!?
ま・・・まさか、この人がゾルダ!?
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仮面ライダー龍騎。13話から。
まだ、真司は手塚に会ってませんね。思いっきり、前回のりゅーきの秘密に噛んでますね。
ははははは。すみません; まぁ、その辺は埋めといて・・・・(ざっくざっく)
ゾルダの名前も、ユイさんが、真司がエレベータ内に居る時に電話で告げたのがはじめのように思えました。
蓮さん・・・・いったい何を基準にライダーを命名していってるんでしょう?(嘘)
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