Lose
ふと、突然心から溢れ出した記憶。
まるで、『先ほど』の自分が瞬間的に『今』の自分になり変ったようだ。
しかし、今まで生活をしてきた記憶もきちんとあるというのは、どういうことなんだろうか・・・?
――――― 城戸。
溢れ出した記憶は、止まることを知らず次から次へと溢れ始める。
――――――― キド。
徐々に冷たくなっていく手、体。
弱弱しい笑みに、鮮やかな赤色が流れ伝う。
失ってしまった代償にたどり着くその先。
その過程に一時的に保留してしまった存在。
すぐに追いつくと、願いながら残してきた存在。
いつの頃からか手段が目的のようになってしまった存在。
隣にいる当たり前となった存在。
―――― お前にそう言われるなんて・・・ちょっと・・・・
「う・・・うわぁあああああああ!!!!!!」
鮮明に呼び出された記憶に、一瞬にして押し潰される。
次々に倒れていくライダー。
戦い残ったあいつは・・・・あいつは・・・・
思わず地面に膝をつくが、そんな己を、通行人は悲観的、迷惑的な視線を浴びせながら去っていく。
だが、そんなことにかまっている暇などなかった。
頭を壊す程の、胸を締め付けるこの絶望、恐怖、そして孤独。
何時もの笑いが徐々に失われていく。
届きそうなのに、届くことのない己の叫び。
大事な物を得るということの代償は、これ程までに脆いのだろうか?
当たり前と思える物を失うことは、これ程までに代償が大きいのだろうか?
大切な物を守りたかっただけなのに、それは連鎖の如く、当り前な物を奪ってしまった。
ふら付く体を無理やり立たせる。
当たり前だがよろめき、近くの壁にもたれかかった。
夕闇に影の伸びるビルの間から見上げた空は酷く狭い。
この空の下、お前は何をしているんだ?
「迎えに・・・行かなくては・・・」
あの頃のように。
次は笑い合えるよう。
大丈夫。
今度は手放しはしない。
笑みを浮かべているお前を切に願った。
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ある日突然記憶が蘇ってしまった秋山。
しかも、命がつきた途端、目が覚めたような、そんな記憶の戻りかた。
とにかく書いてみようとおもって、突撃で書いた文。
・・・文脈ばらばら;
スランプ脱退チャレンジ中。
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