海×真です。
それでよけりゃー下をスクロール。
氷と舌
「城戸」
「何?」
開店営業中のアトリ。
夏の恒例メニューであるかき氷の旗がひらひらと棚引いている。
しかし、あまりの暑さに客足はあまり伸びないのが経営の頭痛である。
店内はそこそこに空調機をかけているので差ほど暑くはないが・・・
「もう―――――」
「却下」
手塚が皆まで言う前に遮る手塚。
城戸手元にあるのは空調機のリモコン。
うっすらと汗をかいている手塚と、全く平気な顔の城戸。
「少しでいいんだが・・・」
「ダメだって言ってるだろう?」
朝の事。
本日が休暇で店を手伝う事になった城戸と、本日何ともなしに手伝いになった手塚に店主のサナコは言った。
『ここ最近、暑いのはしょうがないんだけど・・・やたら電気代が跳ね上がってるのよ。だから、二人とも。悪いんだけどエアコンの温度設定は
28度を保つこと。お願いね』
「って、サナコさんも言ってだろ?」
「いや・・・だが、28度は暑い・・・」
「こんなんでへばってたら、ジャーナリストがすたる」
俺は、ジャーナリストじゃなくて占い師なんだが・・・・
ふと、少し暖かい気温にふらふらした頭で、手塚は表にはためいている旗を見た。
そして、徐に懐から財布を取り出し、100円硬貨を2枚取り出し、カウンターに置いた。
「城戸」
「今度は何?」
「イチゴ一つ」
しゃくしゃくしゃく・・・・・
しゃくしゃくしゃく・・・・・きーーん・・・・・
「っぅ・・・・はぁ・・・・生き返る」
「旨そうに食うよな」
手塚の食べっぷりに、苦笑を交えながら見やる城戸。
本当に甘露と言わんばかりに頬張っていく手塚に城戸は冷たい麦茶も出してやる。
「あ、手塚君」
「しゃく・・・・んぐ・・・何だ?」
全てを食べ終えて、食器をカウンターに運ぼうとした手塚は足をとめた。
「ちょい、舌出して」
「成程・・・ほら」
「真っ赤っか」
イチゴシロップをかけて食べたのだから、それは赤くなっているだろう。
手塚は内心で苦笑しながら舌をしまうと流しに食器を片づけさっさと洗う。
戻ってくると、城戸がまだこちらをみている。
「今度は何だ?」
「まだ・・赤い?」
「じゃないか―――――ッ!?」
――― 目の前にある城戸の顔。
――― 程良く冷えた口の中が熱を帯びた何かに浸食されてく。
「っふは・・・」
「き、城戸・・・///?」
顔を離した城戸は、舌をちろりと手塚に見せた。
「俺のも赤くなった」
少しだけ恥ずかしそうに、けれどにんまりと満足そうに城戸は笑った。
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リフォームが終わって荷物片付け中。
何とか探し出したインターネットのルーター等。
何とかつないで使えるようにしましたぁあ!!!
ようっしゃああ!!これで更新が出来る!!!
ひとまず、手塚×城戸で。
小悪魔的な城戸がここ最近お気に入り。