騎士。






「なあ、秋山」
「・・・・何だ?」

ある日の夕飯の折。
その日もまたまた、アトリ女性陣は「勝手に夕飯食べててね」と、出かけていった。

本日の夕飯は、ちょっと遠くのスーパーで買ってきた特売品のブロッコリーとトマト、それにアスパラ、かぼちゃ、玉ねぎといった野菜をスライスして塩とオ リーブオイルのみで味付けし、オーブンで焼いた野菜のオーブン焼きに、近所で評判なパンやで買った食パン、それに城戸特性の冷スープのビシソワージュ。 暑っ苦しい夏場にはもってこいだ。

そんな中、手塚はオーブン焼きのかぼちゃを頬張りながら秋山に問いかけた。

「秋山のライダーである時の名前は英語だったな?」
「それがどうした?」

因みに、城戸はサラダを作るべく台所に居る。

「ちょっと考えてみたんだが、騎士という英語は何もナイトだけではない」
「何が言いたい・・・?」
「いっそのこと改名―――」
「断る」


皆まで言わせずに断る秋山氏。






「そもそも、何故改名などしなくちゃならん?」
「いや、ナイトだけが騎士ではないという考えの下・・・」
「でも、ナイト意外って言うと何があんの?」

サラダボールを片手に戻ってきた城戸が手塚に問いかけた。

「そうだな。例えば・・・“Sir”なんてどうだ?」
「サ・・・サァー・・・・?」
「イギリスで、準男爵またはナイトのクリスチャン-ネーム(洗礼名)につける尊敬語のことだ」

◇Sir・・・(1)英語で、男性に対する丁寧な呼び掛けの語。
      (2)イギリスで、準男爵またはナイトのクリスチャン-ネーム(洗礼名)につける尊敬語。卿。

「・・・えっと・・・くりすちゃん・・・ネーム・・・?」
「キリスト教での洗礼名のことだ」

秋山の説明に、更に困惑気味になる城戸。

「せ・・・“鮮麗名”・・・・?随分、色鮮やかな・・・」
「そうだ城戸。今じゃフルハイビジョンで高画質だ」
「そんなに!?」
「しかもケーブルテレビ、BS等と言った番組まで見れる!!」
「それはすごい!!」
「その上、なんとチレジまで対応しているんだ!!」
「じゃぁ2011年になっても大丈夫なんだね!?」
「ああ!!」
「デタラメを言うな!!」





「他には?」
「そうだな・・・“Soldier”とかもありだな」
「・・・・塩?」
「それは“Salt”だ」





「他に思いつくものは・・・・?」

既に食後恒例の一服。
本日は、水出しで作った凍頂烏龍茶である。

「うーむ・・・・“cavalier”なんかはどうだ?」
「キャ・キャバ・・・・・?よ・要領・・・?」
「そうだ。ペタなんか、夢じゃないぞ城戸!」
「えぇえ!!??そんなに!?」
「だからデタラメを言うな!!」


ゴンッ!!


頭にタンコブをこしらえた手塚氏。

「キャバリアは“Cavalier King Charles Spaniel”の“Cavalier”だ」
「つ・つまり・・・どゆ意味・・・・?」
「騎士だ」
「・・・騎士?」
「ああ。“Cavalier King Charles Spaniel”はイギリス最古の犬種であり、チャールズ2世の愛犬だった犬だ」
「・・・・意味は・・・?」
「『チャールズ王の犬騎士』と、いうとこか」
「い・・・犬・・・・・?」
「・・・・・・;」
「どうした二人とも?そんなに顔を青くして」
「か・仮面ライダーキャバリア・・・・・」


犬の耳、犬の顔、犬独特の雰囲気。
それら全てを兼ね備えた、仮面ライダー。
勿論、契約モンスターであるダークウィングも衣替え。
ファイナルベントは差し詰め、警察犬のような噛み付き攻撃か。

「・・・い・いやだぁ〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!」
「ッ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」






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参考:英和辞典・広辞苑・ウィキペディア・某電化製品メーカーHP
    ・地上デジタル放送サイト諸々



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