北岡さんと手塚君。
「そういえばさー」
いつもながらのアトリのリビング。
夕飯を終えたアトリのライダー3人組は今日も今日とてお茶で一服。
本日も「夕飯は勝手に食べてね」と、女性2はお出かけ。
因みに本日のメニューは、100円セールで買ってきた野菜でつくった炒め物、ご飯に大根と油揚げのお味噌汁、城戸特性の出し巻き卵にこれもスーパーの特価
品である、金目鯛の西京漬け、箸安めに大根の塩もみ。
「どうした?」
「?」
声をかける手塚と訝しげに城戸を見やる秋山。
「手塚君、北岡さんと話したこと・・・・ないよね?」
「・・・・そういえば、無いな・・・・」
ライダーとしてあったことはあるが――北岡のファイナルベントを喰らった時に――、だが個人として話したことは無いように思われる。
「別に用が無ければ話す必要は無い」
もっともらしいこと言いながら、お茶と一緒に食べるため残しておいた城戸特性卵焼きを一人頬張る秋山。
因みに、この卵焼きが好物。
「それじゃ寂しいじゃんか!!手塚君一人のけ者みたいで!!」
城戸と秋山は北岡を知っている。勿論北岡も二人を知っている。
「城戸・・・・」
そんな城戸の姿に素直に喜びをかみ締める手塚に、城戸の意識が手塚へ向いていることに楽しくない秋山。
「あ、そうだ」
そんなおり、城戸は何かを思いついたらしくぽんと、手をたたいた。
「俺、明日北岡さんの取材をするんだ」
「何?」
「だから、手塚君。一緒に行こうよ!」
「待て、城戸」
手塚を促す城戸に待ったをかける秋山。
「何、蓮?」
「お前は仕事と私情の区別をつけられないのか・・・?」
「・・・ぅ〜・・・・」
秋山の言うことは最も。社会人として、仕事とプライベートは分けるのが礼儀。
「そうだな・・・秋山の言い分は確かだ・・・・」
だが、と一つ区切ってポケットから一枚のコインを取り出した。
それをピィンと指で弾き、ぱしっと手で取る。
「行くと良いことがあると出た」
それはいつもの占い。
「じゃ・じゃあ一緒に行こうよ!」
手塚からのOKサインと見て、城戸は嬉しそうに声を上げる。
「俺、ちょっと北岡さんに連絡入れてくる!!」
そして、そのまま食器を流しに運んだ城戸は一目散に部屋へと上がっていった。
「なんのつもりだ?」
「何のつもりも無い。占いの結果を言ったまでだ」
いつもの手塚に、さらにヒートアップしそうな秋山。
しかし、そこに・・・
「北岡さん、いいって!明日一緒に行こう手塚君!!」
嬉しそうに城戸が飛び込んできた。
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北岡氏と手塚氏。
一緒の取り合せにしてみたらどうなるのかという好奇心のもとチャレンジ。
ほら、ドレッシングとかで、これとあれを混ぜるとどんな味になるんだろうか?
って、いう感じと同じ。
え、違う?