結婚しようよ。


3人で喧嘩をして、おばさんに追い出され、犬が怖くて。
そのまま遊園地に遊びに来た。
でも、蓮は酷く落ち込んでいた。

「城戸・・・」
「ん?」
「お前、前に俺と戦うと言っていたな・・・」
「え・・・?」
「本気なら・・・」
「蓮・・・・」

蓮の手がズボンのポケットに差し込まれた。
この後の展開を思い浮かべ、俺はどうしようもなく、動揺していた。
蓮がゆっくりと息を吸って吐き出す。
まるで何かを決心したように。
俺を見る目が、悲しみと焦りと、痛みで彩られている。

「俺と・・・」
「・・・・」

ポケットからゆっくり出される手。
俺は今この場でその手にしがみ付き、止めたいと、心から感じた。


「俺と・・・・・結婚しろ!!」
「そっちかよ!!」

秋山の掌にあるもの。
それは給料3か月分の、指輪の箱。



――結婚とは、辛く大変な道のり。
――それは人生の戦いである。
――その道に俺はコイツを巻き込んでもいいのだろうか・・・。

秋山は酷く悩んでいたのだった。






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