ふぇろもん。
ここ最近起きている失踪事件。
なぜか東京を中心に起きている。
「ってことを、今日玲子さんに言われて」
「なるほど」
「・・・・」
アトリの食卓。
本日のメニュー。
豚のロースに筋切りを施し小麦粉をまぶす。
醤油、生姜のすりおろし、味醂、酒、お好みで砂糖少々。
漬け込みタレを作り、ジッパーに筋切りしたロースと共にいれ、一日冷蔵庫に寝かせた、城戸特製豚の生姜焼き。
香ばしく焼き上げたお肉の上に、あらかじめ下ろしておいた大根おろしをたっぷりのっけ、彩で三つ葉も乗せる。
それから、農家の取材で戴いた胡瓜と真っ赤で中身が濃い緑色のトマトをぶつ切りにし、シンプルに塩胡椒を振り掛ける。
白米はちょっと趣向を変え、通販で買ってみた十六穀をブレンドした十六穀米。
お味噌汁には、煮干しの変わりに飛び魚(アゴ)をダシにし青々としたワカメに戴いた焼ちくわをいれて、朝取りの長ネギも刻んで入れてみる。
煮物には今が旬のかぼちゃを使用。白出しと砂糖で煮た後、レモンを入れ風味をつけた後、冷蔵庫で冷やす。
お茶は、手塚が客から戴いた中国茶を昨日から水だしで仕込んで置いた物を使用。
デザートには、豪華にイチゴを沢山使ったムースなんぞぞがあったりする。
ちなみに、こちらも農家の取材でいただいたものだったりする。
しかも、
「イチゴのムースはまだ一ボール分あるからなー」
つまり、残すな。
と、いうことである。
「城戸」
「ん?」
「話の続き」
「ああ、そうだった」
手塚に促され、少し思案したあと、
「言われてみて、確かに東京中心だよなって思ったんだよ」
「ライダーの戦いがか?」
「そう。だってちょっと足伸ばしてみても精々神奈川県ぐらいだろう?」
「そうだな、確かに北海道やら沖縄やらは聞かないな」
「その前に、そこまで呼ばれてもいけないだろうが」
秋山の突っ込み。
確かに、沖縄やら北海道やらで戦えといわれても、交通費が出ないんじゃ行きたくも無い。
まぁ、出してやるといわれても社会人のため、おいそれ簡単に時間は作れない。
「で、改めて、何で東京近辺で起きてんだろうなって思ってさ」
「やはりカンザキか?」
「だろうな」
「それとしか考えられないよな」
東京近辺、何せよ日帰り可能な地域ばかりであることは確かである。
「でも、下手に北海道とか沖縄とかじゃなくて良いけどさ」
北海道のライダーと待ち合わせ。
『明後日、正午に栃木県宇都宮市JR宇都宮駅構内のBECK'S COFFEE SHOP(カフェ)に待ち合わせで。
今の時期のおすすめは、そーだなー・・・自分的にゃー温野菜のバーニャカウダプレートセットだ』
『了〜解。温野菜のバーニャカウダプレートセットな。あ、何か目印になるものは?』
『そーだなー・・・じゃぁ、お前青いジャケットだったよな?』
『うん、そう』
『なら、こっちは赤いジャケットにするわ』
『うっし、じゃあ明後日な』
「なんて・・・・」
「何てむちゃくちゃな・・・・」
秋山は盛大にため息をつき、手塚は苦笑い。
当の城戸は交通費の清算を始めていた。
「なぁ、ライダーの戦いって交通費支給されてねーよな?」
「そんなもんあるか」
と、秋山のこぶしが飛んだ。
「っあて」
「だが、これを考えると、やはり狙って東京近辺にしたんじゃないか?」
「だろうな・・・」
と、納得しかけた所に・・・
「じゃぁ、モンスターはどうなんだ?」
「「・・・・・・」」
モンスターの行動。
それさえも、カンザキシロウの管轄に入っているのだろうか?
もし違うなら、モンスター自身の意思で東京近辺に身を置いていると言うことか・・・・?
「・・・モンスターが集まるフェロモンがあるとか!!」
「モンスターは蛾がッ!!!」
城戸の言葉に突っ込む秋山氏。
「だってそーしたら話しが簡単じゃんか」
「だとしたら、カンザキシロウがフェロモンの元か?」
呟かれた手塚の言葉に、
「「・・・・・・・・」」
静まり変える食卓だった。
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カンザキシロウのフェロモン放出疑惑。
不思議です。
何故東京近辺何でしょ?
戦って、タイムアウトで別れた後、
スーパーの特売セールとかでばったりしたら、
どうする気なんですかね?