『砂糖が入ったバケツをひっくり返したような甘い話』














「蓮、『砂糖が入ったバケツをひっくり返したような甘い話』ってどんな話だろうか・・・?」
「そうだな・・・ひとまず、砂糖をそのまま口に流したり、ガムシロを1リッター飲んだり、尚且つケーキをホール食いするような話ではないな」
「やっぱり?」
「やろうとしたな・・・・?」
「ちょっとだけ・・・・」



「で、結局どんな話だろう?」
「・・・兎に角、二人がいちゃこらしていればいいんじゃないか?」
「具体的には?」
「・・・四六時中一緒にいるとか、か?」
「なるほど。じゃあひとまずそれ行ってみよう」




〜その1・四六時中一緒にいてみよう〜



窓から朝日が差し込み、すずめが囀る時刻。

朝。

ひとまず、同じベッドで寝てみた。

「ん・・・・」
「城戸・・・・」
「んぅ〜・・・・」
「貴様・・・・・・・」
「ふ・・あぁ〜・・・・・・」
「俺を殺す気かぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「へ・・う・うわ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!」

城戸の寝相の悪さに、ほとんど一睡も出来なかった秋山。


ついで、朝食。

「ねぇ、蓮、真司君」
「何だユイ?」
「何ユイちゃん?」
「あのさ、今日はね、軽ぅ〜く汗をかくぐらいの少々不快感極まりない日差しの暖かさなんだ」
「へーそうなんだ」
「それは大変だな」
「でね」
「うん」
「私、思うんだけど・・・」
「ああ」
「さっきから二人で一緒の椅子に座るなっていうの!!見てるほうが暑っ苦しんだから!!!」


また失敗。



朝食を食べ終えて、自室にて。

「なんか、一緒に寝るのも、一緒に椅子に座るのもだめっぽいね」
「そうだな」
「んー・・・他は・・・」
「・・・・・」



「っちょ!?二人で何してるの!?」
「え?トイレだよ」


「今度は何!?」
「風呂だ」




で。




「怒られたね」
「怒られたな」



花も恥らう少女の前で何をさらす!!
と、きつく店主の姪っ子に怒られた二人。



「案外難しいんだね四六時中一緒にいるのって」
「そうだな」
「方向性、違ってたのかな?」
「うー・・・む」
「他に案件ある?」
「お前はどうだ?」
「そうだな・・・」
「どうだ?」
「そうだな・・・」









〜その2・新婚ほやほやの夫婦〜




「成る程。確かにそれは甘い物に当たるな」
「だろ?」
「では実際にやるとなると何だ?」
「やっぱあれっしょ?」


「ほい、蓮。あ〜ん」
「あー・・・・」
「どう?うまい?」
「ん」
「じゃぁ、今度はこっちな。はい、あーん」
「あ〜・・・・」
「蓮・・・真司君」
「何ユイちゃん?」
「ん?(あむあむあむ)」
「今度は何なの・・・?」
「え、何って新婚さんいらっしゃーい?」
「ごくん。そんなところだ」
「なら・・・・・・・・タワシでも当ててヨーロッパ旅行でも行って来い!!!!」





「また怒られたね」
「また怒られたな」



「何がいけなかったんだろう?」
「ふーむ・・・・」
「また甘い物の方向性が違ってたのかな?」
「だが、新婚は甘い物に当たるはずだ」
「そうなんだよね」
「・・・・」
「あ、もしかしてっ・・・・」
「何だ?」
「結婚式だよ!!」
「何?」
「俺達結婚式挙げてないじゃんか」
「それがどうした?」
「だから新婚さんは結婚式を挙げて、入籍してこそ新婚さんなんだよ」
「成る程。土台を作らずにいきなり建築してしまったために、建築偽装問題のようにほころびが生じて問いただされたんだな!!」
「そういうこと!!」
「じゃぁまずはどっちだ!?」
「え・・・えっと、入籍?」


で、


「なんなのよ、あんた等・・・・?」
「俺と城戸を入籍させろ」
「北岡さん、お願い!!」
「あんたらまずは基本的な常識問題を勉強しろ!!」
「ほぉ〜」
「な・何よ?」
「黒も白に変えてしまう敏腕弁護士というのも嘘ぱっちなものだな」
「何を!?」
「だってそうだろう?貴様はこうやって法律的に無茶な願いをしてきている俺達を無碍に返すのだから」


「ああ、無茶だってお双方分かっていたんですね」
「ははは、まぁね」


「お、俺は高いんだよ!!お前なんかに依頼料が払えるかよ!」
「払えるといったら?」
「・・・っふ。面白い。払ってもらおうじゃないのよ。100万円!!!」
「そんなんでいいのか?」
「・・・・な、何!?」
「お前ならもっと吹っかけてくるかと思ったんだが、案外安いものだったな」
「な・・・な・・・・!?」
「ほら、百万だ。受け取れ」

出されたのは、アタッシュケース。
開かれた中身は・・・

「ま、マジ・・・?」
「さぁ、約束だ北岡。俺の籍に城戸を入れてもらおうじゃないか」
「っく・・・・・」




で、


リンゴーン リンゴーン



「秋山、城戸。おめでとう」
「まさか、マジでやるとは」
「真司君、蓮!おめでとう!!」
「真司ィ〜〜〜〜!!」
「ほら、編集長泣かないでください!!みっともないじゃないですか!!」
「だ・・だってよぉ〜〜〜!!!えぐえぐえぐ」

少々小さめだが、白くおしゃれなチャペル。
金の鐘が慣らす幸せの音色に包まれた新郎新婦(?)は心から幸せそうだった。
新郎は格好良く白のタキシードを着こなし、その横にはシンプルなウェディングドレスだが、とても美しい花嫁が寄り添っていた。

「城戸・・・いや、これからは真司だな」
「蓮・・・///」
「幸せにすると約束する。神には誓わないが、今この場で・・・お前に誓う」
「俺も・・・蓮に誓うよ・・・ずっと一緒にいるって」


「真司・・・」
「蓮・・・・」





おしまい。



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2000HITのお礼です。遅くなってすみません;
えー・・・・甘い物ってカテゴリーを自分で作っておきながら、
全く持って甘い物がどういう話なのか理解できていない狼。
この二人の考える方法は、マジで狼が甘い物として考えたことです。

だって・・・甘い物って分からないんですもの・・・・。