会いたかった。―― 2.5
自分を泣きながら呼ぶ声。
それに、なんなのだろうか。
手塚は、城戸の頭を撫でながら引っかかる何かを感じた。
ずっと、前にもなんだか同じようなことがあった気が・・・
―――― 手塚・・・・なぁ、目を覚ませよ・・・
・・・・・・・・・・・・・・・城戸、なのだろうか?
多分、泣いたために喉の奥が引き攣っているのだろう。
城戸は上手く喋れない悲しさからか、自分の喉を強く掴む。
爪が食い込むその手をそっとどかし、城戸の口元に耳をやった。
『手塚・・・思い、出さない・・から・・・・・』
――― 何をだ?
『あんな風に・・・死んじまうから・・・・』
――― 死んじまう・・・俺がか?
城戸の切れ切れの言葉に、手塚は眉間に皺を寄せた。
思い出さない自分、死んでしまった自分。
嫌、たぶん逆だろう。
死んでしまった自分。それを思い出さない自分。
その事に、たぶん城戸は泣いている・・・嫌、怒っているのだろう。
『嘘つき・・・て・・づか・・の、嘘・・・つき』
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・・・続けようと思ってて、しっくりこなくなったから切り取った文章。
ちともったいない感じもしたので、改めて見直して、書き加えてみました。
結局、手塚氏は思い出すんでしょうかね?
この後は皆様のご想像にお任せいたします。