カウンター








無題。













それは、昼下がりの午後。
暖かな日差しの中、アトリの入り口では3人が揉めていた。

「何でだよ!?」
「何でもクソもあるかッ」
「落ち着くんだ二人共!!」

城戸、秋山、手塚である。

「分かってるのかよ!!お前、自分の遣ってること・・・わかってるのかよ!?」
「お前に関係ない!!」
「関係なくない!!」

怒りに任せ、秋山の胸倉を掴む城戸の手を手塚が掴んで止めさせる。

「手塚君・・・・」

手塚までも、秋山の見方なのか。
城戸は絶望的な表情で手塚を見る。

「兎に角、落ち着くんだ城戸」
「・・・手塚君まで・・・・・・落ち着いてられっかよ!?こんなことしてる間にも・・・あいつ等は・・・あいつ等は!!」

手塚の腕を振り払い、ドアノブに手をかける城戸を、慌てて秋山と手塚が後ろから羽交い絞めにした。

「離せよ!!」
「お前まで死ぬ気か!?」
「城戸!!!」

城戸を押さえつけながら、何とか二人係で門扉の方まで引きずっていく。

「離せ!離せよ!!」
「いい加減にしないか!」
「落ち着くんだ城戸!!」


「どうしたんですか!?」


今だ二人から逃れようとしている城戸。
そんな所に、よく知った声が聞こえてきた。

「由良さん!!」
「お前は・・・」

北岡弁護士事務所の秘書、由良吾郎。

「城戸さんも、秋山さんも手塚さんも!!いったい何があったんですか!?」

買い物の帰りのようで、由良の両手にはスーパーの袋が握られていた。
城戸は、二人を振り払い由良へと駆け寄る。

「由良さん!!お願い由良さん!!」
「城戸さん!?」
「助けて!!あいつ等を・・・助けてよ!!!」
「あいつ等って・・・いったい何があったんですか!?」

そして、今アトリの中で起きている出来事について秋山と手塚が説明をした。




「そうですか・・・」
「お願い!!由良さん!!!」
「城戸さん・・・」

必死で自分に助けを求める城戸に、由良は酷く苦しそうな表情を見せた。
この人は優しすぎるのだ。どんな事に対しても。

「城戸さん・・・俺も辛いです・・・でも、コレばかりは・・・」
「由良さん・・・」
「いいですか、城戸さん。アトリは何のお店なんですか?」
「・・・い、飲食店・・・だけど!!それでも・・・!!」

それでも、すがり付いてくる城戸を、由良は落ち着かせるよう、優しく抱きしめた。

「貴方の苦しみは痛いほど分かります。ですが、こればかりは・・・・堪えてください」

苦しそうな由良の声。
抱きしめられた城戸は由良の腕の中で小さく震えていた。

「由良さん・・由良・・・さん・・・」
「城戸さん・・・」















そして、全てが終わった。

「俺・・・今度は気をつけるよ・・それしか、こいつ等にしてやれることが無いから・・・」
「城戸・・・」
「そうだな・・・」

アトリの中で、拳を握り締める城戸を辛そうみる秋山と手塚。

「城戸、大丈夫だ。お前ならもう、間違うことは無い、絶対に」
「手塚君・・・」
「お前なら絶対に大丈夫だ」
「蓮・・・」

二人の言葉に、城戸は強く頷いた。










こちら、北岡弁護士事務所。

「只今帰りました」
「ああ、お帰りゴロちゃん。随分遅かったじゃない?」
「ちょっと、アトリの前を通ったら城戸さんたちがいたもので」
「何か話してきたの?」
「ええ、なんでも秋山さんが先日、台所で○キ○リを見たそうで、丁度バルサン焚いてました」
「あ〜あ・・・あそこ、飲食店の端くれでしょうが・・・」
「それで、城戸さんが辛そうで・・・」
「はぁ・・・気持ちは分からなくも無いけど・・・あいつはまったく・・・」
「きっと、城戸さんならこまめに掃除して、ゴ○ブ○が出てこないようにしますよ」











ギャラリー









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・・・ギャグ、なんですかね?
ちょっと深刻な3人で、このネタを遣ってみたくなって・・・。

題名が思いつかず、『無題』に・・・。