counter
7.綺麗な横顔
アトリで、カウンターの席で隣り合わせに座り、紅茶を飲む。
そのほんの一瞬。
カップを持つ手元。
それに口を付ける唇。
湯気に少し細める目元。
垣間見えてしまった瞬間。
夜仕事から遅く帰ると、既に寝ている同居人。
起こさないように、そっとカーテンを開けると、
予想通りきちんと布団に包まった男の顔が見て取れる。
「ただいま」
その横顔をしゃがみこんだ位置から見つめ、小さくつぶやく。
そのことを知ったら、こいつは何と言って怒るだろうか?