34.珍しい出来事

カウンター







珍しい出来事。

新聞を読む。

珍しい出来事。

ネットをあさる。

珍しい出来事。

知人、友人、とにかく聞きこむ。



この仕事をしていると、とにかくその“珍しい出来事”というのが必要となる。
最新のニュースや、突発的なニュースをどこよりも早く読者にお知らせするのも仕事だが、やはり・・・

「あ〜あ、どっかに珍しい出来事って落ちてねーかな」

である。

ライダーバトルなんぞ出したって、リアリティーが無さ過ぎて駄目だろう。
っていうか、カンザキシロウに止められそうだ。
この際、手塚にでも占ってもらって取材してこようか。
少しずるい感じもしなくはないが、締め切りがすぐ目の前に迫っているため、正直背に腹は代えられないのだ。
確か、今日はアトリの手伝いをすると言っていたから、下に降りれば居るはずだな。
寝ころんでいたベッドから立ち上がり、扉を開け、階段を下りる。
ちょうど脚が引けたのか、店内には手塚と秋山の二人が居た。

「手塚君、ちょっといい・・・?」
「どうかしたのか?」

休憩に入っていた城戸が顔を出したので、おやっと首をかしげる手塚と、一瞥をくれる秋山。

「あのさ・・・その・・・」
「珍しい出来事か?」
「え・・・?」

手塚の返しに驚いてると

「昨日からぶつぶつと呟いていて眠れんかった」

秋山の愚痴、手塚を見やると、苦笑している。
あちゃー・・・と、城戸は目に手をやった。

「悪い!!」

一先ず謝ろう。

「ふん」
「で、一先ず珍しい出来事が起きる場所を占えば良いんだな?」
「頼む!!」

手近くのテーブルに、商売道具の一つを取り出し、何やらやり始める手塚。
を、覗き込む城戸。

「・・・なるほど」
「分かった?」
「ここから5Km離れたところに何かあると出た」
「何かって?」
「何かだ」

何せよ・・・

「向こうだな!?」

分かったからには善は急げ!!
部屋に戻り愛社のキーを掴んでくる。

と・・・

「被れ」
「おわっと!!」

投げよこされたメット。
投げよこしたのは

「蓮!?」
「行くぞ」

すでにエンジンが入っている秋山氏の愛車。
そのまま浚われるかのように乗せられ、発車。


残された手塚。


「さて・・・」

5kmまで二人の珍しいタンデムが見られる。


・・・・帰りは何時になるかな。



手塚は再び店へと戻った。











戻る


*******************************************************************************

しばらく描かなかったら・・・見事書けなくなった・・・・
すんごくべた過ぎ・・・・;